●過去の日記へ●メメント・モリ（死を想え）---折原一骸骨絵コレクション展
会期 2011年５月16日（月）〜21日（土）
会場 文藝春秋画廊 ザ・セラー（地下室）
（東京都中央区銀座５−５−12）
11時〜18時30分（最終日のみ17時まで）
●過去の日記へ
●メメント・モリ（死を想え）---折原一骸骨絵コレクション展
会期 2011年５月16日（月）〜21日（土）
会場 文藝春秋画廊 ザ・セラー（地下室）
（東京都中央区銀座５−５−12）
11時〜18時30分（最終日のみ17時まで）
*好評のうちに（？）終了。ご来場、ありがとうございました。
⇒骸骨絵コレクション展・日記（画像多数）
●２０１1年５月の日記●
●5月1日(日)
メメント・モリ展まであと2週間。
案内状の発送準備。膨大な量なので、ダブって書いてもわからない。
あちこちのブログで、メメント・モリ展の紹介していただいております。ありがたいことです。上を参照↑。
漏れていたら、ごめんなさい。
●５月３日(火) 小山田二郎のヴァニタス画
あちこちのサイトでメメント・モリ展を紹介していただいております。
出品作家の方もおられますね。東京創元社の元社長さんも。
文京アートの小山田二郎作品の紹介で、わからなかった謎が解ける。
上のチラシの画像の中、左から2列目、上から3番目の作品は、小山田二郎の「少女と花」という油彩作品(Ｆ６号）。
「死を表す頭蓋骨と、一見して対局に位置する題材の幼い娘と花。生まれ落ちた瞬間から死へと歩み出す生命の儚さを、
髑髏の少女と散りゆく花で表現しているヴァニタス作品」
まさに、そういうことですね。
●５月５日（木） スティーヴン・キングのサイン入り・ポスター
スティーヴン・キング『ＩＴ』のポスター用の額が届いたので、早速ポスターをはめこんでみると、とんでもなくでかいものになってしまった。
これ、けっこうやばいかも。
メメント・モリ展に持っていくと公言してしまったので、今さらやめるわけにもいかない。
飾れなかったら、希望者限定にします。合言葉は「『IT』、見たい」ってのはどうでしょう？ 私の耳にそっとささやいてください。
飾り棚の幕の下にしまってあるので、すぐに取り出します。
キング・ファン、いや、『IT』限定ファン(そんなの、いるのか?)がたくさん来るような予感。
●5月7日(土)
メメント・モリ展の営業。ギャラリー椿、スパンアートギャラリー、画廊宮坂にチラシとハガキを置かせてもらう。
文春画廊地下をのぞく。作品をどこに飾るか、平面図のレイアウトを見ながらチェック。
両国、江戸東京博物館に寄って、特別展 五百羅漢。
幕末の絵師、狩野一信(1816-63)の仏画100幅(増上寺蔵)。これはおすすめ。
●5月8日(日) 期間限定サイトを設置
メメント・モリ展まであと1週間。期間限定のサイトを設置した。⇒骸骨の部屋
画廊内のレイアウトが、ほぼ決まる。1時間半ほどあれば、何とか飾りつけはできそうだ。たぶん。
前回の石田黙展の時は、2人の画家さんにお手伝いしていただき、本当に助かった。100号の大きな絵があったので。
今回は35〜40点。一番大きいのが20号。6〜10号サイズが中心。
今回は、コレクション展なので、基本的に1人で運営。本の販売はなし。金銭の出し入れは、1人ではとても無理ですね。
お茶出しも中止。前回は6月下旬でむし暑かったので、来場者に冷たいお茶は喜ばれたが、今回はまだそんなに暑くないので、
お茶なしでも大丈夫でしょう。
もちろん、初日のオープニング・パーティーもなしです。飲みたい人はご自由に持参してください。
徹底的に省力化をはかります。
もちろん、初日の飾りつけボランティアは大歓迎です。
●5月9日(月) ジョン・ウェイン・ゲイシーとスティーヴン・キングの『IT』
今度のメメント・モリ展に、ジョン・ウェイン・ゲイシーの絵を３点出品する。
1つは、油彩画(4月14日の日記参照)、あとの2つが左の2点。
2点とも、紙に油彩ペンで描いている。
ゲイシーには骸骨の絵があるので、最初はついでに油彩のピエロも紹介するつもりだった。
その後、藤田新策展に行った際(4月26日)、藤田さんやキングナンバー1マニア氏たちと話しているうちに、
これらの絵がキングの『IT』に影響を与えたことを思い出し、急遽、『IT』関連資料も並べることにしたのである。
キングマニアナンバー１氏のサイトにも紹介していただいたので、キング・ファンが多数訪れる
かもしれない。⇒スティーヴン・キング研究序説
なんか恐ろしくなってきた。ぞくぞく。
←ジョン・ウェイン・ゲイシー「ポゴ・ザ・クラウンとスカル・クラウン」(左）
「スカル・クラウン」(右）。いずれも紙に油性ペン）
●5月11日(水) メメント・モリ展、どんな人が見にくるのか予想してみる
雨が降っているので、営業活動を中止。
個展の時、雨がつづくと、客足が鈍る。会期が今週でなくてよかったと思わなくてはね。
メメント・モリ展の芳名帳の印刷。ページあたり10人分。
どのくらいの人が来るか予想できないが、とりあえず100枚刷る。
今回のメメント・モリ展。私の予想では、美術関係者(画家、イラストレーター、美術評論家、画廊関係者、美術ファン）で6割。
画家は基本的に骸骨が好きなので、けっこう興味を持っているはず。美大などで頭蓋骨のオブジェをデッサンしたりするから。
残りの４割が、ミステリ(作家、評論家、編集者、読者)、幻想、ホラー、スティーヴン・キングのファン。ホラー・ファンとキング・ファンは別物。
私の読者は5パーセントくらいと予想。
どんなものでしょうね。
●5月12日(木) あと4日
メメント・モリ展まであと4日。不安と期待が交錯。
案内状をまだ差し上げていない人がたくさんいます。
案内状が届いていない人も、もしこのページを見て、展示内容に興味を持たれたら、ぜひおいでください。
コレクション展の性格上、ご高齢の人に差し上げると、失礼かなと思って躊躇したりしています。
私の年代だと、高齢の親御さんの介護をしている人もたくさんいます。
あるいは病気をされている方もいるかもしれません。
そんなことをいろいろ考えたら、案内状を出せなくなってしまいますね。
でも、ある画家さんは「あまり気にしなくていいんじゃないの」といいました。
「死は美術の重要なテーマなのだから」と。
久喜の100円ショップで、メメント・モリ展に使う小物を買う。
100円ショップ、侮れませんな。
●5月13日(金) 最終営業
メメント・モリ展まであと3日。
昨日と一昨日が雨だったので、今日が最後の営業。
画廊宮坂⇒ヴァニラ画廊⇒光画廊⇒銀座スルガ台画廊。
文春画廊地下の下見。事務所へ行って、最終打ち合わせ。
⇒あかね画廊⇒青木画廊⇒ぎゃらりぃ朋⇒柴田悦子ギャラリー⇒ギャラリー椿。
不忍画廊へ行こうとしたら、疲れてへとへとになってしまったので、また後日。
●５月14日（土） 準備万端、でもないか
美術運送会社が明日ピックアップに来るので、大急ぎで荷造り。
すごい数になってしまった。
高価な絵は自分で運ぶのだが、こっちも数が多いので、かなりの重さになる。
それから、割れやすいオブジェなども自分で運ぶ。
いやあ、まいった。まいった。
推理作家協会報の５月号が届く。
「メメント・モリ展」の案内を載せていただく。恐縮です。
協会員の興味のありそうな人に案内状を送ったが、全体の１割くらいか。
「私、もらってないぞ」という人、この案内を見て来てくれればいいのだが。
遠方の人は無理だろうと思って、あまり送らなかった。
前回の石田黙展の時（０７年）は、推理作家協会賞の授賞式と重なったので、
地方からもけっこう来てくださった。
●５月15日（日） 飾りつけに時間がかかるので……
いよいよ明日（16日）からメメント・モリ展であります。
飾りつけは時間がかかると思うので、11時一番乗りを狙っている方は、少し待たせるかもしれません。
正午以降に来ていただければ、間違いないと思います。
飾りつけボランティアの方は、午前10時くらいにお願いします。
オープニング・パーティーはやりません。一人でやっているので、手がまわらないのです。
今日のうちに、破損しやすいオブジェなどを運んでおこうと思っています。
●５月15日（日・つづき）
明日の9時に画廊で荷物を受け取ることになっている。
破損しやすいオブジェと高価な絵画は手で持っていくので、銀座で前泊することにする。
画廊から150メートルのところにプチホテル発見。や、や、安い。
明日は、飾りつけがたいへんだが、ボランティアがいるので、何とかなるだろう。
●５月16日（月） 骸骨絵コレクション展初日
興奮して、明け方まであまり眠れず。トホホ。
8時半に画廊に着くと、美術輸送会社のトラックがすでに停まっている。
ボランティアから、急用で行けないという連絡が入っていたので、1人で飾りつけをやることになる。
展示台を３つ。大きなものを一つずつ片付けていく。最大で20号くらいなので、思ったほどたいへんではないが、
数が多いので、けっこう時間がかかる。
午前11時。最初の入場者は、石田富弥さん。青木画廊系の幻想画家さん。
石田さんに、作品名のキャプションの貼り付けを依頼。次に入ってきた千葉県からの女性2人にも細かいことを
頼む。11時半、何とか終わった頃にお客さんがぞろぞろと。
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写真左・メメント・モリ3作。中央に三浦明範の祭壇画、右に古吉弘「VANITAS」、左に三輪修「メメント・モリ」
写真中・小部屋の展示風景。髑髏杯を見る女性。
写真右・小部屋のミステリ、犯罪、スティーヴン・キング・コーナー。
展示した絵の作者３人。古吉弘さんと篠田教夫さん、山科理絵さん。
美術評論家が２人。何とか顔と名前が一致したので挨拶する。
画廊関係者が多数。画廊宮坂さんには、展示の微調整をしてもらう。
「オープニング・パーティーはやりません」と受付に案内を出していたので、5時以降は比較的スムーズ。
ワインをいただいたりしたので、やってきた方には、ワインをふるまう。
編集者が何人か。スティーヴン・キング・ファンもけっこう来る。宇野亜喜良ファンの人も。
1時間以上も見ている若い男性２人。若い女性もけっこう多い。
●５月17日（火） 骸骨絵コレクション展 2日目
11時オープン。オープン30分前に松坂健さんが来て、推理作家協会報の取材。
雑談30分。松坂さんのことだから、うまくまとめてくれるだろう。
今日は画家、画廊関係の人が多い。
小説家率低し。篠田真由美さんなど。
展示してある作品の画家は、前田正憲さん、美齊津匠一さん。
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写真中央、髑髏杯の後ろに、蝋燭の絵を追加出品。
推理作家飛鳥部勝則氏による「高島野十郎、蝋燭模写」。けっこう珍しい。金曜までの展示予定。
午後３時くらいから雨が降りだすと、客足がぱたっと止まる。
5時くらいに見覚えのある名前の人が来場。
ええと、この人誰だっけとしばらく考える。美術評論家かもしれないなと思って声をかけると、文藝春秋の社長さんだった。^_^;
自分の本を出している出版社の社長さんの名前を忘れるとは情けない。
「こんな美術展で画廊を使わせていただき、申し訳ないです」と私。
「いやあ、そんなことはありませんよ。よかったです」
と言われ、ほっとする。
小山田二郎を知る高齢の男性、熱弁をふるう。
古吉弘さんのファン、三輪さんのブログを見てきたカップル、建石さんのファンとか、作家別にいろいろなお客さん。
絵画コレクター3名。小山田二郎マニア、ゲイシーに興味を持っている人などなど。
今までのところ、圧倒的に美術界の人のほうが多い。画家はこういう展示会が大好きみたいだ。
●５月18日（水） 骸骨絵コレクション展 ３日目
今日は天気がよかったので、昨日よりは来場者が多い。
オープンの少し前に、作家の真保裕一夫妻。その後に翻訳家の白石朗氏。
オープンまで雑談。
出品作家では、三浦明範氏が絵画仲間をたくさん連れて来場。
七戸優氏、熱烈キング・ファンの女性とともに。『ＩＴ』ポスターの写真をばちばち。
JTB時代の上司とか、昔の知り合いとか、こんな時でないと出会えない人たちも。
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美術評論家とか美術館の学芸員の方とか、顔と名前が一致せず、挨拶しようと思ったが、帰られた後だったりする。
失礼なことをしたなあと後悔。
有名美術コレクター氏が何人か。顔を見て、なんとなくわかる。
画家、画廊関係者、今日も多い。
ゲイシーの絵、髑髏杯、なかなかの人気である。
霊験あらたかにつき、髑髏杯に願いごとする人も。「画運、文運向上しますように」とかね。
酔いどれ（？）作家の飯野文彦氏。この人は意外に美術好き。じっくり見ていく。
１時間以上も熱心に見る若い人も。
遠方からのお客さん。北は青森県八戸市、西は広島市から来た人も。
でも、石田黙展の時のほうがお客様は多かったような気がする。
こういうテーマは敬遠されるのかも。
夕刻、妻子が来たので、画廊を閉めた後、一緒に食事して帰る。これで骸骨絵展の日程の半分がすぎる。
●スティーヴン・キング・ナンバー１マニア氏のレポ⇒スティーヴン・キング研究序説
●５月19日（木） 骸骨絵コレクション展 ４日目
朝一番で、知り合いの画商が来る。ネット話、いろいろ。
若い女性が多い。何でここを知ったかと聞くと、Twitter とかFacebookを見たという。そういう時代なんですな。
あとは画廊で聞いたという人も多い。
画廊経由でコレクターや有名な評論家も。
『オール讀物』の私の短編を読んできた人が4人。これは意外。
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大島哲以「贖罪」(写真・右）を目立つところに展示替え。1〜3日はちょっとかわいそうな展示だった。
大島ファン、多し。髑髏杯、相変わらず人気。
今日も画廊関係者、美術雑誌の編集者、続々。今日もそっち系の人が多いみたい。
展示作品の作家は、谷神健二さん、菅原優さん。
ミステリ作家の千澤のり子さんと大崎梢さん、髑髏杯を見て「きゃあきゃあ」と騒ぐ。
ほんとにミステリ作家かな?(笑)
明日は俳優の中村敦夫さんが来る。ちょっと緊張。
●５月20日（金） 骸骨絵コレクション展 5日目に向けて
前回の石田黙展に比べて人が少ない。新聞で紹介されなかったのは大きいかも。
黙展の時は毎日と産経の情報欄で取り上げてもらい、それを見てきた人が多かった。
100人くらいは違うかも。
『週刊朝日』の取材が入る予定だったが、原発問題が長引き、原発の後に骸骨展のようなカラーグラビアが載ったら
まずいという判断で中止になった。
さて、今日はどうだろう。最終日の土曜はけっこう来る人が多いのはわかっている。
今日は俳優の中村敦夫さんが来るので、どんな感じになるのか、予想できず。
中村さんは日本ペンクラブの関係ですね。
では、出発します。
●５月20日（金） 骸骨絵コレクション展 5日目
オープン30分前に画廊に着くと、白日会の三輪修さん夫妻が待っている。愛知県から。
三輪さんには明日の片付けボランティアに参加していただくことになった。ありがたいことです。
午前中、比較的空いている。小山田二郎目当ての高齢の人、またやってくる。
午後、大島哲以「薔薇刑」の前で1時間も動かない若い男性。大島マニアだという。大島哲以、おそるべし。
大島哲以「贖罪」目当てに来た男性も。
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写真左・大島哲以「薔薇刑」を食い入るように見る男性。
写真中央・版画コーナーを見る女性2人。
写真右・相変わらず人気のゲイシー3点セット。
珍しく私の女性ファン2人。木曜日もオープン時に私のファン。珍しいことがあるものだ。
3時すぎから、お客さんが入ってくる。
ミステリ作家の二階堂黎人さん。秋葉原のまんが古書店で本を買った帰りに寄る。
まんがコレクターが死んで後片付けした話。
高校時代の同級生、某国立HB大学教授来場。石田黙展の時も来てくれた。
この人はいつも画廊で人と待ち合わせ。
今日は福岡県と愛媛県からの人が来る。もちろん、他に用があって、ついでに訪れたのであるが。
展示作品の作家は、三輪修さん、成田朱希さん、大沼久美子さん。
今日も画家、画廊関係者が多い。
俳優の中村敦夫氏が来た夕刻、すごく混んでくる。
中村氏が来たから混んだわけではなく、金曜の夕方は会社帰りの人が多いのである。
6時半に画廊を閉め、ワセダミステリクラブのミニОB会。打ち上げを兼ねて。
いよいよ明日一日で終わり。午後5時、画廊の扉を閉めます。
●5月21日(土) 本日、骸骨コレクション展最終日
今日はいよいよ骸骨絵コレクション展の最終日です。
午前中は比較的すいていると思います。
今日しか来られない人がかなり来ると思われます。
これから出かけます。この手のものは二度と開かないので、興味のある人はぜひ。
●５月21日（土） 骸骨絵コレクション展 6日目
最終日の今日は、人が途切れることなく訪れる。
オープンしてすぐ、大阪から某医大名誉教授、来場。ものすごい髑髏マニア。
近く、骸骨博物館を開くとのこと。自宅のそばに骸骨型の建物ができている。写真を見てびっくり。
飛鳥部勝則氏、自分の蝋燭画を見る。
展示作品の画家さんは、福島瑞穂さん、建石修志さん、篠田教夫さん(２度目)
終わり間際に藤田新策さん。
今日も画家さんが多い。
小山田二郎の「少女と花」、かなり人気がある。何度も見に来る人あり。
昨日も、倉阪鬼一郎氏がいいと言っておりました。
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写真左・小山田二郎「少女と花」。ムンクみたいと言う人も。
写真中央・終了近く。
写真右・「皇帝のかぎ煙草入れ」「乱歩像」「ポー」など。「乱歩さん、かわいい」という女性あり。
若きタトゥー師、来場。
チベット骸骨に興味を持っているようなので、譲る方向で相談。
午後５時、閉めてからも遅れてきたお客さん、何人か。
片付けボランティアは、出品作家の三輪修さんと奥さん。新潟県の美術会社から女性2人、
石田黙展にお世話になった画家の柏木喜久子さんにもお手伝いしていただく。
5時に絵を床に置き、一つずつ閉まっていく。6人もいると、作業がスムーズ。助かりましたよ。
6時少し前に美術運送会社がピックアップ。ようやく終わった。
有楽町駅近くの和食の店で軽い打ち上げ。
ああ、終わってしまったな。
何日か、蝉の抜け殻のようになるだろう。復旧するまで、しばらく時間がかかりそうだ。
あと3年か４年後に「石田黙展、ふたたび」をやる予定。
展示内容は前回と大幅に異なる。今回も黙の作品があると思ってきた人多数。
●５月22日（日） 骸骨絵コレクション展、後始末
朝の11時に美術運送会社から絵が届けられる。先週の同じ時間帯は運びだししているところだった。
1週間、早いなあ。
絵が40点ほど、箱から出して仕事場の壁に飾りつけ。（画廊の飾りつけのほうが楽しかったぜ）。
三浦明範の祭壇画と古吉弘「VANITAS」は、照明にあたりすぎたので、箱の中でしばらくお休みいただく。
石田黙と骸骨画が部屋の中に混在。おそろしい仕事部屋だ。
これを期に、絵の大作は買わないようにする。骸骨の置物類は処分の方向で。
私もいつ死んでもおかしくない年齢。急死でもして、家族が困惑するといけないので。
会期中来ていただいた作家の二階堂黎人氏に聞いたこと。知人のまんがマニア（独身、60歳くらい）が急死し、
そのコレクションの処分に関わって、たいへんな思いをしたのだという。
独身のコレクターの場合（これはかなり多い）、引き取り手がなく、散逸する運命だとか。家族がいても、コレクションには興味がないので、
だいたい叩き売られるか、捨てられる。
まあ、どっちにしても、コレクター一代なので同じ運命か。楽しんで楽しんで死んだほうが本人にとっては幸せなのかも。
ボケミスの暴落にはびっくり。そろっていてもかなり安いってことは、ばら売りで処分したほうがいいかも。
あるいはほしい人に持って行ってもらうとか。
心当たりのあるコレクターさんは、気を付けること。
荷物を受け取った直後、土砂降りの雨。絵の箱が濡れずにすんでラッキー。
●５月23日（月） 骸骨絵コレクション展、総括（１）
今回の骸骨絵コレクション展。２年以上前から準備して、たった6日で終わってしまった。蝉みたいなものですな。地中で7年、地上で1週間。
虚脱状態になるかと思ったら、それほどでもなく、あと２、3年後に「石田黙、ふたたび」をやることを考えたら、気分が持ち直してきた。
骸骨絵コレクション展。こういう時期なので、客の入りは、石田黙展の７〜８割くらい。初日と金曜、土曜はけっこう混んだ。
美術関係、小説関係に大ざっぱに分けてみると、美術関係者のほうが7対3くらいの割合で多かった。（石田黙展の時はほぼ拮抗）。
特に画家、イラストレーターの人気が高く、ものすごくたくさんの方に来ていただいた。画廊の人も多かった。
小説読者のほうは少なかったなあ。推理はまあまあ。ホラーがほとんどゼロのなか、キング・ファンが目立った。おそるべし、スティーヴン・キング。
小説家率低し。前回の石田黙展の時は、かなりたくさんの作家さんに来ていただいたが、こういうテーマはあまり好きじゃないんだろうなあ。
自分で書いていることだし、今更ねえって感じなんだろう。
個別の画家でいうと、大島哲以、小山田二郎、池田満寿夫の物故画家目当てで来る人が多かった。
あとジョン・ウェイン・ゲイシー。
ある画家が「ゲイシーの絵からは何も読み取れない。ただ薄気味悪さだけが際立つ」と。
まったくその通り。どんな絵にも何かメッセージがあるのに、ゲイシーの絵は何のメッセージ性もない。だから、ひたすら気持ち悪い。こんな絵はめずらしいってこと。
それがジョン・ウェイン・ゲイシーなのである。ゲイシー、おそろしや。
絵がもどってきて、照明を浴びつづけたゲイシーの絵は、しばらく箱の中で休息。
骸骨絵、ちょっと飽きてしまったなあ。
逆に石田黙の絵がすごく新鮮に思えてきた。
またやりますぜ。石田黙展。奥さんが元気なうちにね。
●5月24日（火） 写楽展とレンブラント展
メメント・モリ展でいろいろお世話になった画廊にお礼を言うため、東京へ。
上野で山手線に乗りかえる時、「そうだ、写楽展を先に見ておこう」とふと思い、国立博物館へ行く。
午後、雨が上がったところで、客は少ないと思ったら、意外に多かった。
今回は5点以外、すべての写楽作品を見られる貴重な機会。これを見逃すのはもったいない。
図録を買う。
1時間半でまわる。同じ国立博物館の手塚治虫のブッダ展は、時間がないので、後日。
西洋美術館の前に来たとき、「そうだ、レンブラントはまだ見てなかったな」と思い、ふらっと立ち寄る。
レンブラント 光の探求／闇の誘惑。
版画中心の展示。お好きな方はどうぞ。
２つまわったら、午後４時。銀座の画廊へ寄る時間がなくなったので、上野から帰る。
挨拶まわりは後日。
●5月25日(水) 石田黙100号を寄贈する
石田黙の100号作品1点(写真左)を荷造りして、都内某所に送る。要するに、寄贈するわけですね。
今年の2月に秋田県の某所から送ってもらった包装材をそのまま利用。思ったより簡単に包装することができた。
2月に161×161センチの大きな絵を3点入手したが、3つは多すぎるので、とりあえず1点のみ受け入れ先を探していたのである。
100号1点なくなると、部屋が少しだけ(襖2枚分)広くなったような気がする。
受け入れ先から「気に入った」旨の連絡が来て、ひとまずほっとする。
もう1点、別の作品も同じところに寄贈する予定。
明日、荷造りしなくてはいけないな。
●５月26日（木）
明日から雨が降りそうなので、今日のうちに東京へ。
最初に八丁堀の文京アート。小山田二郎展。これはよかった。28日まで。
銀座へ出て、画廊宮坂。ご主人に昼食をごちそうしてもらう。恐縮です。
⇒シロタ画廊⇒光画廊⇒スルガ台画廊⇒日動画廊。
文春画廊に寄り、地下の画廊を見る。個展によって、ムードがまるで違ったものになるのがおもしろい。
メインの画廊が珍しく休廊。
スパンアートギャラリー⇒青木画廊⇒ギャラリー椿⇒和田画廊。
骸骨絵展の前だったら、買ってしまったかもしれない骸骨絵がいくつか。
いまはちょっと買う気にならない。もっと落ち着いたらね。
最後に不忍画廊に寄る。うさぎまみれ展。
●５月27日（金） 困ったさん
画廊の注意書に、「困ったさんが来たら、管理人室、もしくは事務所へ連絡してほしい」と記してあった。
銀座のど真ん中にあると、看板を見て変な人が入ってくることもあるんだなと思って、実をいうと少し警戒していたのである。
「死を想え」なんて看板に貼りつけてあるので、会期中、何もなければいいと思っていた。
いちゃもんをつける人とか、けしからんと文句を言ってくる人とか。
それにしても、「困ったさん」と画廊が書いているのがおもしろい。たまにいるのだろうね。
あまりじろじろ見ると失礼なので、さりげなく観察。メメント・モリ展は人間観察の場でもありましたね。
美術好きの人は、じっくり見ていく。何度もまわったり、1つの絵を時間をかけて見たりする人。
メメント・モリと知ってくるわけだから、みなさん、熱心だった。こういう人が多くて、主催者としては嬉しかった。
幸い、「困ったさん」は来なかった。画廊の案内を見て入ってきた「おしゃべりなおじいさん」はいたけれど、美術好きの人だったので、
そんなに困ることはなかった。「私の描いた絵をもらってくれ」という人には、ちょっと困惑しましたが、受け取りましたよ。タイトルが「死神」。
あと、ひやかしの人はだいたいわかりますね。何となく挙動不審の人とかもね。こういう人は芳名帳にサインをしていきません。
メメント・モリ展が終わって明日で1週間。それほど「後遺症」がなくてよかった。
天気に恵まれたこともよかった。雨が降ると、客足がぱたっと止まるのである。梅雨の前のグッド・シーズンだったと思う。
●５月28日（土） 「あれっ、もう終わってしまったんですか？」
メメント・モリ展が終わって、5人くらいから同じようなメール。
「あれっ、もう終わってしまったんですか？」
「1週間、間違えてました」とか、「もう少し長くやってると思いました」なんてのもある。
案内状を早く出しすぎた人はまず忘れている。2カ月前にわたせば、ふつうは忘れますよね。（笑）
ぎりぎりに届いた人は、スケジュールが合わないなどして来られない。
案内状を出すタイミングはむずかしい。連休のタイミングでちょっと調子が狂ってしまったかも。
あと、「折原さんのサイト、いつも見ている『ミステリ系更新されてますリンク』などから抜けちゃってますよね」
といったものが2件。
そうそう、震災の頃、パソコンが壊れて、昔からの日記と若干違ったところに移ってしまったので、今の日記は拾われていないようだ。
あれを見て、私のサイトをのぞきこむ人がけっこういたらしく、震災以来、1日あたりのアクセス数が150〜200くらい減ってしまった。
○○アンテナってやつ、私もたまに見ている。けっこう影響力があるんですね。
●５月29日（日） 石田黙50号を発送
台風が来る前に、石田黙50号を梱包して、寄贈先に発送する。
ちょうどいい大きさの段ボールがあったので、作業はスムーズにすむ。
寄贈先から連絡があり、100号Ｓの作品の額を発注したとのこと。あそこはかなり立派な額をつけるので、楽しみである。
6月の中旬に新収蔵作品展をやるという話だ。
●５月30日（月）
先週からゆっくり肩慣らし。
今週からようやく仕事に本腰を入れる。元のペースにもどるまで時間がかかるだろう。
「いつ仕事をしているんですか？」とよく聞かれるが、
「あまりしてないですね」と答えている。
久喜に行くと、せきのや書店のシャッターが降りている。うわっ、店を閉めてしまったのか。
好きな店だったので、ショック。
●５月31日（火）
青木画廊、山本じん展。今年見た画廊の個展では最高。
これは期待以上に素晴らしかった。メメント・モリ展の前だったら、買っていたものが1点。
木彫り作品、銀筆の大作。必見。
柴田悦子画廊、森田晴樹の小さな板絵展。これはおもしろかった。かまぼこに描いた小品100点。
銀座1丁目から新橋まで歩く。
日本推理作家協会賞授賞式パーティー。新橋第一ホテル。
ずっと歩きっぱなしだったので、講評や挨拶を聞いているうちに疲れてしまう。
何人かと話した後、早々に会場を出る。